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2012年 02月 12日
面白いものを見つけた。小さな稲荷の社だ。 東京の北部王子の近くに在る。王子の稲荷は広重の「名所江戸百景」にも登場したり、落語「王子の狐」の舞台となるなど、昔から広く親しまれている稲荷であるが、私が見つけたのは、その「榎木稲荷」の近くにあるも、まちの中に埋没するかのような由緒のはっきりしない小さな社である。
コンクリートマンションと店舗の狭間に残された間口1間半ほどの三角形の土地がその「稲荷」の敷地である。「稲荷」には鳥居は付きものであり、京都の伏見稲荷では全長数キロに渡って鳥居が連なり、トンネル状の不思議な参道を形作っていることはよく知られている。間口に並ぶ旗には伏見稲荷の文字が見えるからその分社のようだ。京都伏見の本社とは比べものにならないがここにも鳥居がある。僅かに2基。だがその構成は絶妙だ。本社にもひけを取らぬ空間の構えである。 三角の敷地の奥に据えられた祠とその前に設けられた大小僅か2基の鳥居で、見事にパースペクティヴな構成が生み出されている。小さな空間に仕掛けられた遠近法構成はしっかりと視覚的奥行きを造り出している。匿名の設計者に脱帽だ。 かなり旧作となるが、あえて三角形の土地を選んで設計した住宅がある。三角の土地は四角な土地に比べれば安く入手出来ると言う理由もあるが、三角形の敷地の魅力に惹かれたからだ。非平行な輪郭線が造るパースペクティヴな骨格を活用して奥行き感を演出して狭い土地に広がり感を造り出した。新建築社「住宅特集」でも取り上がられた住宅である。20年程前のことだ。 昨年、同じ建て主から新たなご自宅の依頼があった。一生に1度の住宅新築の機会がある人ですら希なのに、住宅の設計でリピーターがいるとは思いもしなかった。旧宅は娘家族に譲ってご自分の第三の家を新築されるというのである。今度は比較的ゆとりのある土地であるので、平屋に近い形で計画中だ。空間を区切らず半楕円の中庭を取り込んで、視覚的連続性と見え隠れ効果を基本とした構成で7月竣工予定だが、詳しくは別報で。出来上がってのお楽しみだ。
by yasuyama-arch
| 2012-02-12 23:20
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